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| 「シックハウス症候群」・・・室内空気環境ガイド |
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| ● 住まいの空気環境を測定する |
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目がチカチカする、頭痛がする、アレルギー症状が出るといった「シックハウス症候群」が注目を集めていることはご存知の通りです。その誘発要因の一つといわれているのが、ホルムアルデヒドで、最近はこのほかの化学物質も話題にのぼっています。
国では国土交通省と厚生労働省が対策の検討を進めていましたが、このたび国土交通省によって、住宅の居室に放散されている化学物質の測定をして「皆さんのマイホーム」がどのぐらいの室内空気環境にあるのか、その目安となる室内化学物質濃度を測定する制度が創られました。 |
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この目的は「室内空気中の化学物質の濃度」を決められた方法によって測定し、その結果を表示するもので、消費者の皆さんにとっては表示された性能値を見て、「わがマイホーム」は安心できる空気環境かどうか判断される有効な資料となって使われることにあります。 |
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| ● シックハウス症候群とは? |
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化学物質を放散する建材や、内装材の使用等で、新築、改築後の住宅やビルに於いて、化学物質による室内空気汚染で、居住者の様々な体調不良が生じている状態が報告されています。 病状が多様で症状発生の仕組みをはじめ未解決な部分が多く、様々な複合要因が考えられることからシックハウス症候群と呼ばれています。 |
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| ● ホルムアルデヒドとは、どんなものなのでしょう |
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ホルムアルデヒドは常温では無色の気体ですが、 臭いが粘膜を刺激する性質があります。 |
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ホルムアルデヒドは1867年ホフマンという人によって発見された物質です。水によく溶ける性質があり、その水溶液が一般によく知られたホルマリンです。
この水溶液は、防腐、防虫剤として広く使われています。揮発性が高く、臭気が強く、粘膜を刺激する性質があって、アレルギー性皮膚炎や、喘息、気管支炎を誘発させたり症状を悪化させると言われています。 皮膚に触れると、かぶれなどの皮膚障害を起こすため、現在は赤ちゃん用の繊維製品からは一切検出されてはならないことになっています。
建築用の内装材(MDF、パーチクルボード、合板等)にもこのホルマリンが、接着剤、凝固剤として従来使われて来ましたが、現在ではこれらの建材では別の接着剤に代えてホルムアルデヒドの含有量が極めて少ない内装建材(F☆☆☆☆、F☆☆☆、と表示)が作られるようになりました。又、壁紙の貼付剤もホルムアルデヒドの含有量の少ない材料が作られています。 |
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建材以外にもホルムアルデヒドは含まれています。 |
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住まいの中でのホルムアルデヒドの発生源は、竣工後持ち込まれる家具(製造時の接着剤)、カーテン、カーペット(防縮、防シワ剤)などにも有ります。 また、タバコの煙、石油ストーブ、衣類の防虫剤など、普段の生活の中にも発生源はたくさんあります。 |
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| ● 上記以外の4つの化学物質(VOC)とは |
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今回の制度では任意の測定対象に採りあげられている4つの化学物質とは、ホルムアルデヒドとは区別され、一般的には揮発性有機化合物(VOC)と呼ばれる物質です。 |
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トルエン |
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無色の液体で塗料や油性サインペンのような臭いで、倦怠感、知覚異常、吐き気などを生じますが、ある程度の数値以下ならば健康上悪い影響は無いと言われています。 |
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キシレン |
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無色の液体で刺激臭があり、引き起こす症状はトルエンとよく似ています。 トルエン、キシレンは共に接着剤、塗料の溶剤として多く使われ、また染料、合成繊維などの原料としても用いられています。 住まい造りでは、木材、金属などの接着や、塗装に使われているものです。 |
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エチルベンゼン |
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無色の常温可燃性液体で特有の芳香をもち、短期暴露では、蒸気が喉や目に刺激を与えますが、指針値以下であれば安全性に問題はありません。 トルエン、キシレン同様接着剤、塗料の溶剤、希釈剤として用いられて、合板や内装材、家具類等から放散される可能性があります。 |
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スチレン |
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無色ないし黄色をおびた特徴的な臭気のある油状の液体で、60ppm程度を超えると臭気を感じ600ppm程度の高濃度になると目や喉を刺激しますが指針値以下では問題ありません。 住宅建材では断熱材の発泡スチレンの中に製造過程の残留物として存在している他、合成樹脂塗料の原料として用いられています。 |
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| ● 住宅、居室の測定化学物質の指針値 |
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国土交通省は2003年4月品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)に基づいて、選択項目として、住宅の室内から放散される化学物質のうちホルムアルデヒド、他の4化学物質(トルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレン)を特定測定物質に指定し、住宅室内の空気の濃度測定を行って6種類の化学物質がどのくらい放散されるかの数値を表示する制度を改正しました。 |
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改正品確法で行われている住宅性能評価では、「空気環境に関すること」の項目で使用する建材のホルムアルデヒドの発散量によって3等級に分けて表示を行っていますが、今回改正された6つの特定測定物質の室内濃度表示制度は、直接この住宅性能評価等級と関連するものではありません。住宅の室内空気中に存在する化学物質の濃度を確認して、皆さん方にとっての「住まいの空気環境」安全指針として使われるものです。 |
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ホルムアルデヒドの室内濃度指針値 |
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| ホルムアルデヒドの室内濃度指針値として、30分平均で0,1r/m3(立方メートル)以下 (ppm換算値:0,08ppm)
(厚生省 「快適で健康的な住宅に関する検討会」1997年6月) |
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4化学物質(VOC類)の室内濃度指針値 |
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| トルエンの室内濃度指針値として、 |
0.26mg/m3以下 |
(0.07ppm) |
| キシレンの室内濃度指針値として、 |
0.87mg/m3以下 |
(0.20ppm) |
| エチルベンゼンの室内濃度指針値として、 |
3.8mg/m3以下 |
(0.88ppm) |
| スチレンの室内濃度指針値として、 |
0.225r/m3以下 |
(0.05ppm) |
| (厚生労働省 「シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会」2000年6月) |
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この室内濃度値は指針値として使われているもので、規制値ではありません。
厚生労働省が揮発性有機化合物について室内濃度指針値を決めたことを受けて国土交通省が2003年4月に特に住宅の室内空気環境に影響を及ぼす可能性の大きいホルムアルデヒドと他4種類の化学物質を特定測定物質として定め住宅の設計、施工者が健康住宅造りの目標値として用いるよう示したものです。
この指針値に示された濃度以下であれば、その化学物質による健康への影響は受けないであろうという値を意味しています。 |
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ホルムアルデヒド、各国のガイドライン値 |
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各国・機関 |
ガイドライン値 |
各国・機関 |
ガイドライン値 |
WHO |
<0.08ppm |
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日本・厚生省 |
<0.08ppm |
スウェーデン |
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ノルウェー |
<0.05ppm |
デンマーク |
<0.13ppm |
オーストリア |
<0.08ppm |
フィンランド |
<0.13ppm |
カナダ |
<0.10ppm(当面)
<0.05ppm(目標) |
アメリカ合衆国 |
<0.10ppm(EPA)
<0.40ppm(連邦政府) |
オーストラリア |
<0.10ppm |
ドイツ |
<0.10ppm |
イタリア |
<0.10ppm |
オランダ |
<0.10ppm |
スイス |
<0.20ppm |
スペイン |
<0.40ppm |
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| ● 日本ERIの測定方法 - - - 測定バッジ法で測定します |
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パッシブ測定方式(バッジ法)
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バッジといわれる測定器を24時間設置し、室内空気を吸着させた後持ち帰って分析機関で分析します。
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空気採取方式 |
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室内の空気を30分間吸引してその空気を持ち帰り、分析機関で分析します。
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測定方法には上記の2種類他がありますが、日本E.R.I.ではバッジ法によって測定を行います。バッジ法は24時間平均して室内空気の吸着をしますので、空気採取方式と比べても同等の信頼性の高い結果が得られます。ご希望があれば空気採取方式の測定も致しますが、かなりのコスト高になりますので、ケース毎に別途見積り致します。 |
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※ |
品確法では、空気採取方式を標準とし、これと同等の信頼性が確保できる方法も採用して良いことになっています。
ERIが採用する測定バッジは、住宅性能評価機関等連絡協議会が専門機関(室内空気対策研究会測定技術分科会)に依頼して、測定方法とし信頼性・有効性が確認されているものの中から選択したものです。 |
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バッジ法の測定手順 |
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1 |
住戸のすべての窓と、室内造り付家具の扉を30分開放する。 (局所換気扇も運転) |
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2 |
その後すべての窓を閉める、室内造り付家具の扉は開放のまま5時間閉切る。(局所換気扇は停止)
全般換気装置のある場合は「常時運転モード」にして運転。
冷暖房機器は「温度設定20〜25度」にして運転。(25度を標準とします) |
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3 |
閉切り5時間後に、一番濃度が高いと予想される部屋に測定バッジを床から1.2m〜1.5mの高さに設置24時間連続測定。 |
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4 |
24時間測定後バッジを回収分析機関へ。 |
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(注) |
バッジは、ホルムアルデヒド用(F)、4化学物質(VOC類)用(V)、を測定対象によって設置。
測定は、内装仕上げ・造り付家具設置等の工事完成時で、家具等が運び込まれる以前とします。 |
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| ● 温度や湿度によって化学物質の放散量は変わってきます |
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室内の温度が高いほど放散量は大きくなります。 |
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・ |
室内の湿度が高いほど放散量は大きくなります。 |
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| ● 住宅のこんな物からも化学物質が放散されています |
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(化学物質過敏症ってどんな病気:合同出版) |
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建材・施工材以外で、特定化学物質の発生源となる可能性のある日用品 |
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発生源 |
含有する可能性のある特定化学物質 |
| 洗浄剤 (クリーナー、ワックスなど) |
ホルムアルデヒド、トルエン |
| 塗料及び関連製品 (塗料、スプレーなど) |
トルエン |
| 農薬など (除虫剤、防虫剤、防ダニ剤など) |
キシレン |
| 粘着/接着剤 (多目的接着剤、ゴム接着剤など) |
ホルムアルデヒド、トルエン、キシレン |
| 化粧品など (シャンプー、香水、ヘアスプレーなど) |
ホルムアルデヒド |
| 自動車用品 (オイル/フルード、ガソリン、ワックスなど) |
トルエン、キシレン |
| 趣味用品など (写真用薬剤、接着剤など) |
ホルムアルデヒド、トルエン、キシレン |
| 家具、衣類など (家具、カーテン、マットレス、カーペットなど) |
ホルムアルデヒド |
| 開放型ストーブなど |
ホルムアルデヒド |
| 煙草のけむり |
ホルムアルデヒド |
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(EPA,Introduction to Indoor Air Quality A Reference Manual,EPA,1997 July EPA/400/3-91/003,p.p21-26,table 2-7) |
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| ● 化学物質濃度をさげる賢い住まい方 |
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住まいにおける室内化学物質が原因と見られるシックハウス症候群は、年々増加の一途をたどっています。これは人々の関心が高まり病理報告が増加した事にもよりますが、何といっても住宅構造が気密になった結果だといえましょう。
サッシュをはじめすべての構造が良くなって、すきま風がなくなり室内換気不足をおこして、建築材料ばかりでなく室内に置かれた日用品からも放散される化学物質(揮発性有機化合物)も加わって室内に滞留して、健康に影響を及ぼしているのです。 |
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| ● 自然の風を上手に使い、換気を励行しましょう |
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換気回数 [1/h]
換気量と室内濃度の関係 |
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室内空気汚染の低減のためのマニュアルの挿絵より引用
健康住宅研究会1998.3 |
田辺新一:シックハウス・シックビルとその対策よりグラフ引用
空気調和・衛生工学学会誌1998.5 |
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住宅の高断熱,高気密化は冷暖房効果をあげ、省エネには役割を果たしています。
これからは一歩進めて空気環境のため、季節に応じて上手に換気をして下さい。
春秋のシーズンには窓を開けて自然の風を通す、夏冬の冷暖房シーズンには「常時」少風量の換気扇の運転をして下さい。
この際大切な事は窓を少し開けるか、換気孔を開ける事を忘れないで下さい。 |
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参考文献 |
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1) |
田辺新一:室内化学汚染,講談社現代新書 |
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2) |
厚生省:「快適で健康的な住宅に関する検討会」資料 |
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3) |
厚生省:「シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会」資料 |
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